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【特別編】PFANNER JAPAN(ファナージャパン)~完結編~
こんにちは! 山本です
九州南部の大雨災害 心配ですね
知り合いが昨日から鹿児島に出張で行っているようです
夜 そっち大丈夫?と聞くと 「大丈夫 もう到着した ステイホテル」 との事でしたが何事もなく帰ってきてくれることを願うばかりです
今後は東海地方も大降りになるようで どうぞご注意ください!
本日は特別編の後編です
PFANNER JAPAN(ファナージャパン)の林業用ブーツのトゥスチールを救出した後 新しく作製するのですが
通常は約2ミリほどの革を使って作製していますが
今回は使用用途もヘビーな環境ですので なるべく強度を出す為
3ミリ厚のベンズ(ソールに使うような繊維の締まった硬い部位)で作る事にしました
が! 何たる凡ミス! 作った芯材の写真が1枚もない!撮り忘れ!
ショックです。。。 それが今回の修理のメインなのに。。。
文章では分かりにくいですが
3ミリ厚の革を取り出した無事だった方のスチールから型紙を起こし
切り抜き後 要所要所を薄く漉いて
水に漬けこみ柔らかくし
トゥスチールに貼り付けて叩いて叩いて伸ばして クセ付けをして乾燥させます
乾燥したトゥカウンター(トゥパフ)はそこそこ硬いですが
更に硬度を出す為 硬化剤を刷毛塗りしていきます
硬化剤 → 乾燥 → 硬化剤 → 乾燥 を繰り返すと 叩くとコンコンッと音がするくらい硬いトゥカウンターの完成です
でそのトゥカウンターをアッパーとライニングの間にはめ込み
解いてしまったすくい縫いを縫い直していきます
こちらがAfterです
ぺしゃんこだった左足も復活です
3ミリの極厚トゥカウンターが成型できるか心配だったので 形になってホッと一安心です
ここからはバラしてしまったソールを組み直していきます
ここまで来ると心配事が少ないので 精神的にかなり楽です(笑)
まず靴底の土台となるダブルレザーソール
元々は1枚目しかアウトステッチがかかっていませんでしたが
今回は2枚ともアウトステッチでガッチリと縫いつけてしまいます
こちらがAfterです
これで靴底の土台となる部分が出来上がったので
アウトソールとヒールを組み付けていきたいのですが
洗った際に剥がしてしまったステッチ周りのシール剤を再度シーリングします
(普通の靴では使う事がありませんが。。。)
マスキングして 専用のシール剤を流し込んで すくい縫いとアウトステッチをシーリングします
サクサク進んでいるように見えると思われるでしょうが
シール剤が乾くまで1日半かかりました(泣)
そしてやっと! 得意分野!(笑)
アウトソールとヒールです
こちらがAfterです
エッジまで仕上げて ほぼ完成です
これでも普通に歩けますが
最後に例のいかついスパイクを取付です
元々のビスはなぜか頭の形状と長さがバラバラで(?)
素材もスチールで多少サビていたので 全て新しくステンレスのビスに交換します
(面倒ですが ここで手を抜くと今回の修理が台無しになってしまいます)
ソール用とヒール用と2種類の長さを用意して
ついに! 完成です!
長かった!!(笑)
こちらがAfterです
大復活です!!
達成感半端ないです(笑)
スパイクも泥だらけだったので全て洗いました ピカピカで気持ちいいですね!
最後にアッパーもオイルケアして全行程終了です
今回は超大がかりな修理になりましたが 色んな勉強も出来たので
信頼して修理をご依頼頂きましたオーナー様には感謝しかありません
まだまだ勉強してどんな靴でもササっと直せるようになりたいですね
これからも安全第一でお仕事頑張って下さい!
この度は遠方よりありがとうございました!
今回の修理
ざっくり¥30,000オーバーです
(※靴の構造やコンディション次第で修理できない場合もございます
事前にご相談下さい )
納期 約1か月
大阪・神戸・尼崎・西宮・宝塚・伊丹・芦屋 メンズ靴修理・オールソールはLABO(ラボ)にお任せ下さい