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Tricker’s(トリッカーズ) × Vib#2810 ガムライトソール

こんにちは! 山本です 
今日は朝一から 以前当店で働いてくれていた池田君が遊びに来てくれました
先月も会って飲んだくれていたのですが 今日も小一時間ほど軟禁して(笑)喋って帰っていきました
彼は今大阪で超有名靴メーカー(ブランド)の純正修理部門で頑張っています
裏方なので 修理を依頼されるオーナー様と直接はお会いしたりしないそうですが 私たちの様な一般的な靴修理店では出来ないような経験が出来ていて正直羨ましくもあります(笑)
まぁ彼に靴修理のイロハを教えた私からすれば まだまだひよっこの半人前職人ですが(笑 怒られるか?) これからもお互い切磋琢磨できる関係でありたいな と思っています


さて。。。本日のご紹介は久々?Tricker’s(トリッカーズ)カントリーブーツです
今回は遠くは青森県にお住いのオーナー様よりご依頼頂きました
遠方よりありがとうございます!
こちらがBeforeです

ブラック・エイコンアンティーク・マロンブラウン はよくよくお見受けしますが ちょいムラ感があるダークブラウンの大人っぽいカントリーです

純正仕様でVib(ビブラム)#2810ガムライトソールが取り付けられていました
そろそろすり減りと滑りやすさが気になってきたタイミングでご依頼頂きました
今回オーナー様より「今と同じソールで交換を」とご希望をお聞きしましたが
少し気になった点が ミッドソールがスポンジ素材なんです

恐らくガムライトソール(スポンジとラバーの混合材)に合わせた素材をチョイスして作られたモデルだと思いますが 普段から【長く愛用出来る修理】を念頭にしている私からすると メリットよりもデメリットの方が多いような気がします
(今回の靴の作りや製法も考慮して スポンジミッドソールでOKな場合もあります)

メリットとしては 軽くて柔らかくクッション性が一番いい くらいだと思います
デメリットは まずミッドソールはアウトソールの【受け皿】でありソールの【土台】なんです
確かに柔らかい素材の方が履き心地の柔らかさ・クッション性に貢献出来ますが
今回の場合 アウトソールが柔らかい素材の為 【接地感】は変わらず 特に問題はないと思います

ミッドソールがペラペラだったり フニャフニャでは 靴全体が型崩れを起こし 見た目はクシャクシャでせっかくカッコいい靴なのに みすぼらしい雰囲気になってしまいます
靴全体がクシャクシャで起こる弊害が 【シワ】です
アッパーレザーのシワが必要以上に深く入り 結果経年によりひび割れや裂けを起こしてしまいます

今回はオーナー様にも説明させて頂き アウトソールを変えるタイミングでしかミッドソールは交換出来ないのであればぜひ一緒に交換を とご快諾頂き
今回はミッドソール(インナーコルクも)から交換させて頂きました
こちらがAfterです

くたびれた感じだったBeforeに比べて ずいぶんとシャキッと戻りましたね
Afterではシューツリー等は入れていないですが 凛とした雰囲気で復活しました
インナーコルク交換・ミッドソール貼付け圧着・アウトソール貼付け圧着と工程中全て 近い形状の木型(ラスト)を入れながら組み直ししているので 見違える仕上がりです
今回はお伝えしていたように スポンジのミッドソールから少し厚めで柔らかめのラバーのミッドソールへ交換していますので 今後履き込んでもお預かり時のようにクシャクシャになる心配はありません
(もちろん保管時はシューツリーを是非使用してあげて下さいね)

遠い青森でまた活躍してくれることを願っています!
この度は遠方より修理のご依頼ありがとうございました!


今回の場合
Vib(ビブラム)#2810 ガムライトソール  ¥11000 +TAX
ラバーミッドソール(厚)  ¥3000 +TAX

納期  約2週間

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2019-07-19 | Posted in Blog, Works of Dress Shoes, Tricker's